「古い愛のために」

私の言葉は古い愛のために使い果たしてしまった

今日心に溢れるものを渡そうとして
空っぽの手を差し出すことしかできない
こんな日のためにもっと惜しめばよかったのか
ドングリを野に隠す鳥の賢しさで

惜しむことなく木々は
くり返し同じ花を梢に咲かせ
恥じらうことがない

私の歓びは
ありふれた愛の言葉を
初めてのように一途に辿る

〈コーラス〉

 ――――――歌劇【ハルシュタット】より


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コメント

“「古い愛のために」” への5件のフィードバック

  1. 西の子
    西の子

    さいきんわざわざ「詩」と謳うために詩を書いたり、「小説」になるためにブログを書いたり、とにかく形式に沿った書き物をするのが嫌気が差して、要は遊ぶように書くことができないものか考えていたんですけど、この詩を読むと、わたしは「古い愛のために」書いてたんだな〜と思いました。これからの愛っていうのが、なんとなくわかるようでわからないんですが、ビーレビプラスでの詩人たちの会話は古い愛ではないなと思いました。あたらしい、書き味を探しに街を繰り出します。

  2. 薔薇*
    薔薇*

    西の子さん
    コメントありがとうございます。

    「古い愛」の古いは
    過去のひとへの愛という意味です。
    人の感情は大体同じようなプロセスなので
    ですから新しく出会った人に詩を書こうとすると
    自己模倣になってしまう
    ということがありませんか?

    ところで
    歌劇の魅力にはじめて気づいたのは
    映画「フィラデルフィア」を
    観たときでした。
    そのとき登場したオペラの歌詞と曲
    「愛」と「死」が
    忘れられないものとなりました。

    街に出て、ネタ拾ってこよう
    みたいなものではない
    自分一人
    その体の中で悩み抜き耐え尽くして
    起きる事が真実味のすべてなのだ
    と感じました。

    一見古いものに感じるオペラや日本で言えば浄瑠璃
    などが
    決して廃れることのない
    人が生きていくなかで遭遇する深奥を表現していると。

    現代詩は
    私はあまり好きではなくよくわかりません。
    割と最近になって
    表皮をカミソリで削り取ってマンホールにたたきつけたような
    魅力あるなあ、
    と感じているところ。

    いにしえも現代も焦って否定することはないかと。

    ちなみに「ハルシュタット」の詩篇は
    1980年代はじめごろ書いたものを
    微細な部分を直して投稿しています。
    詩も私もアンティークですね^^

  3. 西の子
    西の子

    自分を積み重ねて着実な生を歩む、というのが薔薇さんの嗜好性なのかもしれないなと思いました。そうすれば、街に出てみたとて何も変わらないと思うかもしれませんが、わたしは(失礼な言い方ですが)この人童貞だな〜と言う人をバスで見かけて観察したり、繁華街の方でバスに乗るとめちゃくちゃいい匂いがする若者がいて「春になったから童貞捨てたんだ」とわかる体験をするので、学術的に言うとフィールドワークをしています。まあ自分を突き詰めるのがわたしは苦しくなっちゃうので毎日のように外出(コロナであっても)していました。

    現代詩はわたしもわかんないです。ただ、イベントをやって詩人を集めたらつまらない人が一人も居なかったことに驚きました。でも最近はラップとポエムの境界があいまいになり、ラップ的な音楽要素になると、エンプティな、空っぽな人種が流通するようになり、ある意味画期的なんですけど、わたしからみたら空っぽな人種のほうが世渡りが上手いので、詩人の自己主張よりラッパーのほうが見せ方が上手いので、埋没してしまうなと思います。わたしは詩人のポエムが好きで、ラッパーはあんまり好きじゃないです。

    関係ない話を次々としてすみません。オペラはどうやって見たら安く見れるかわからないので開拓してません。でも、シラノ・ド・ベルジュラックは見ました。

  4. 薔薇*
    薔薇*

    西の子さんへ

    いえいえ
    着実な生は最近になってからですよ。
    いくつかの出会いが変えてくれるまで
    私の二十代はひどいものでした。
    アウトドア派でしたので
    二年ごとに引っ越しをしながら
    東京も夜の世界を含めずいぶん歩きました^^

    でもアンティーク(美しいもの)とも
    同じ頃出会ったので
    破滅せずに済んだと思います。
    西の子さんが
    自分だけの美しいものと出会うと
    きっと素晴らしい未来が待っている。

    youtube で「オペラ」も「浄瑠璃」も検索すると
    山ほど無料で観られますよ。
    でも
    アリアと呼ばれるソロ歌唱部分ならまだしも
    最初からオペラ全曲を観ようとすると退屈するかも。
    アリアで慣れてからだと楽しいです。
    私が最初に聴いたのは
    マリア・カラスの「椿姫」でした。

    でもやはり最初におすすめしたいのは
    詩と曲が映画のストーリーと絶妙に調和する
    映画「フィラデルフィア」(1994年版)。
    アマゾンプライムで199円です。

    <かつて傲慢だったエリート弁護士が
    エイズで余命わずかになり
    仲間から差別を受けつつも
    自分の権利を獲得する
    と言ったストーリーです。(ネタバレ?)>

    また他の作品でも
    おしゃべりしていきましょう。

  5. 西の子
    西の子

    「椿姫」は気になってました。「フィラデルフィア」見てみます

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