焼かれ懲罰

倶利伽羅、炎に包まれて
山椒、痺れて尾
緊張しては夢
蝙蝠の糞に桔梗

夜は露
突風と雷の日々
これはきっと
何かの罰に違いない

疲れて黙、骨より
限界であることを告げられる
夜は涙
これはきっと
何かの罰に違いない

徒労よ、君を愛す
無駄骨よ、君が好きだ
倦怠よ、ずっと一緒にいよう
死よ、少し待っていておくれ

倶利伽羅、炎に包まれて
何の罰かもわからぬ日々
残暑、痺れて嘔
窓の外では季節が変わる

コメント

“焼かれ懲罰” への2件のフィードバック

  1. fio

    渋く格好いい詩だと思いました。

    肉体を苛まれ転々とするときの
    夢うつつ。

      これはきっと
      何かの罰に違いない

    誰もがいつか必ず
    孤独の中で
    自分にか誰かにか問いただす言葉、
    受け止めねばならない苦痛だと思います。

    「骨より 限界であることを告げられる」

    しかし、

      徒労よ、君を愛す
      無駄骨よ、君が好きだ
      倦怠よ、ずっと一緒にいよう

    に、
    作者の人生観、
    どんな風に生きてきたかが表れていて心地よく、
    詩全体に手向けられたかのような桔梗と共に
    繰り返し読みたくなる詩となっています。

  2. 沙一
    沙一

    倶利伽羅という古色蒼然とした語がアクセントになっている、端正な一品ではないでしょうか。炎、龍王のイメージが、夏の暑さを化身させているようです。であるなら露や涙、湿っぽく感傷的な秋の気配は、燃える龍王からしてみれば罰にひとしいのかもしれないと思いめぐらせました。

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