蜃気楼

遠ざかっていた詩のリズムを
探した、探せば逃げる波音か
逃げ水のように、 風を切る

  はるかとおくをてにとろうと

真夜中に部屋をみまわした
 猫が崩した本の山から一冊
ひろいあげる、  あぁ、そうか
 窓を開けて風を感じるとき
耳鳴りのなかまた草原をかける

  蜃気楼警報が発令されました、蜃気楼警報が……
  地平線も 水平線も ひかりに曳きなおされていく

 風に倒された草になって
 歩いてきた馬に食べられた
 そんな夢をみた、それでいい

コメント

“蜃気楼” への2件のフィードバック

  1. 藤 一紀
    藤 一紀

    「猫」の登場がいいですね。作品空間に動きを感じました。

  2. ほば
    ほば

    藤さん

    そう言われてみれば、僕の作品て猫がまわしてるの多いですね 笑。でも真面目な話し、自分でない他の動き、て大事な気がしますね。読み手の視点もそれによって角度が変わって奥行きがでるというか。ありがとうございます。

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