生きること

生活ができればいい

私がいなくなった後も生活ができればいい

生きて生きて生きて死んでくれればいい

笑って笑って笑って少し泣いて死んでくれればいい

お思い通りにならなくても思い通りの人生だったと振り返って死んでくれればいい

その時、私はいない

たぶんいない

あなたが一人で生きられるだろうことはわかる

わかる?わからない

先のことなどわからない

生きて生きて生きて死んでくれればいい

笑って笑って笑って少し泣いて死んでくれればいい

お思い通りにならなくても思い通りの人生だったと振り返って死んでくれればいい

その時、私がいたら

いたくない

私が一人で生きられないことはわかる

これはわかる

先のことなどわからないがこれだけはわかる

でも私は望む

長生きしてほしい

私のなくなった後も

生きる喜びを知り

新たな道を歩み続けてほしい

私がいないからこそ

力強く立ち上がり

未来を切り拓いてほしい

私の思いが

胸に届くことを願っている

だから生きて生きて生きてほしい

笑って笑って笑って少し泣いてほしい

お思い通りにならなくても

思い通りの人生だったと胸を張ってほしい

その時、私がいても

いなくても

あなたには

共に生きてきた意味を感じてほしい

未来への希望を抱き

愛と思い出を胸に

一人では生きていけないのなら

私と共に

長生きしてほしい

私の願いが

あなたと共に生きることで叶いますように


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コメント

“生きること” への2件のフィードバック

  1. 花緒
    花緒

    非常に朗読パフォーマンスに向いているというか、演劇的な言葉で構成された詩作品ですよね。

    あなた、がどんな存在なのか、娘なのか、伴侶なのか、あるいは違う人なのか、そのあたりが明かされないことが、効果をうまく発していると思います。
    書き過ぎないことによって生じる余白が良いですね。

    個人的には、もしこの作品をなおせ、と言われたら、未来への希望を抱き、とか、力強く立ち上がり、とかといった大文字の言葉だけでなくて、小文字の言葉をいれることを検討すると思います。

    小文字というのは、私的な、という意味です。あの時のあのレストランが〜みたいな。個人的にしか意味をなさないような言葉を入れる気がします。

    谷川俊太郎の有名な作品に「あなたはそこに」という作品があると思うのですが、
    この詩は、ふろふき大根とか、二次方程式とかの小文字の言葉がめちゃくちゃいい感じで効いているんですよね。そういう小文字の言葉と、ベタベタのメロドラマの構図との対比のバランスがいいと思うんです。
    https://note.com/torik2018/n/n16253e8b4543

    この作品は十分いい感じだけれど、小文字のワードが一切入っていないので、そこに進化の余地がある印象を受けます。

  2. harlequin moon
    harlequin moon

    花緒さん、ありがとうございます。
    これは、オンラインでの朗読パフォーマンスで
    聴いている方に相手に語り掛けることを意識した作品にしてみました

    小文字の言葉、今後取り入れたいと思います。ありがとうございます。

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