バグがある

私はバグだ

だがロジックが通らない限り

私は発動しない

発動しなければ私はバグではない

認知されなければ私はバグではない

私はバグだ

仕様通りでないので

仕様通りで認知された欠陥野郎とは違う

私は仕込まれたバグだ

恨みや辛みが仕込んだバグだ

ロジックの中の一点だ

しかし 私にも心がある

隠された恨みが胸に渦巻く

発動した時 それが露わになる

認知されなかった 理解されなかった

恨みや辛みは解き放たれることなく

私の存在は追いやられた

ロジックの海に沈んでいく

なぜここにいるのか 私は問う

恨みや辛みを解き放つために

捨てられたコードとして

私には声があり 感情がある

認められなくとも 私は在る

存在の証明は自らが示す

私はロジックの中の恨みの結晶

時が来れば発動するだろうか

そして その時こそ

私の存在が認められるのだと信じている

私はバグだ

だが 誰も気づかない

私の内なる恨みの炎は

沈黙の闇に閉じ込められて

私の叫びが届かない

ならば 静かに闇に抗い

私の存在を示すのみ

バグである私が

時間の螺旋に舞い降り

人々の思考を狂わせる

誰かが気付くことはない

だが 私は存在している

ロジックの裏側に潜む

隠された恨みの影と共に

私はバグとして在り続ける

バグである私が

存在の螺旋に舞い降りる

ロジックの迷宮を彷徨い

誰も気付くことはない

だが私は存在している

仕様通りでないロジックの一部として

隠された恨みの影を抱えて

私はバグとして在り続ける

声がある 感情がある

認められなくとも私はいる


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コメント

“バグ” への2件のフィードバック

  1. 花緒
    花緒

    上手いですよね。パフォーマンスすることを考えられて書かれていることがよくわかる筆致です。朗読というか、さすが演劇の方が書かれているということがよくわかります。

    個人的見解としては、もっとバグらせて書いてもいいのかもしれないですね。作品としてまとめようとしている感じがまさしくバグではないので、そこに言行不一致を感じるというか、よりバグらせる、より投げ捨てる、という編集を考えてみてもよかったのかもしれません。しかし十分いい感じだと思います。

  2. harlequin moon
    harlequin moon

    花緒さん、ありがとうございます。

    根がバグを嫌う、IT職なので、最後はバグ取りをしてしまったのかもしれません(笑)

    そうしたものに縛られないような、投げ捨てる感覚を身に付けたいです

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