有線放送「愛している」

大好きだ 大好きだ
愛している という歌詞は
何を思って書いているんだ

たとえば私がいまここで
赤貝の寿司が食べられない話をしても
それがうどん屋で流れたとして
今日(2/15)の嫌な感じには勝てない

世の中の人は
愛しているとか大好きだとか言わないと
響かないし解毒できない空気がある

だとしても
うどん屋の有線に掛ける力を持っていながら
愛してるとかしか若いアーティストに言わせない
そういう世界があるんだということに吃驚する
多分初音ミクの乳房を描くような感じ
初音ミクのパンツの中のギャザーを描く感じ

私がうどん屋の有線を牛耳ることができたら
この詩を贈ろう 今に見てろ
うどんを食べている時に必要なのは英気
愛国心を滾らせる詩を書こう

たとえば
隣の定食屋の冷凍うどんの方が美味しいのだが、
日本の冷凍食品技術の高さに思いを馳せる
大谷翔平までもわかりやすくなくていい
冷凍食品、コンビニ、建設、カスタマーセンター、ワイドショー
日本SUGEEEとなるような
案外日本のいちごが世界で一番旨いような
うどんの消化のおぼろげなような
愛国心が霞みがかって消えればいい

アメリカを睨んでいたその目に
撃ち抜かれたシャボン液のような目薬によって
世界が変わるのを見ていくがいい

愛国心 それは当たり前のこと
愛国心 人に言われなくても慎むこと
愛国心 それは一杯のうどんのよう
満たされているのにお腹が空く


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コメント

“有線放送「愛している」” への2件のフィードバック

  1. 沙一
    沙一

    「愛している」が氾濫する流行歌のシーンに疑問を覚えている方は多少なりともいそうですけど、こうして詩に昇華された例を私は他には知りません。
    「うどんの消化のおぼろげなような/愛国心が霞みがかって消えればいい」など、その是非がどうこうではなく、独創的な発想による言葉に驚かされます。

  2. 西の子
    西の子

    沙一さん

    めちゃくちゃ褒められてびっくりしてます。と同時に愛してるの後には「この国を」が来るからみんなキモがらないんだなという見立てがおおむね合っていることにビビってます。リベラルと呼ばれる人がすごく愛国心があることにわたしが凄く辟易しているのがベースにあるから詩として客観視できたのかなと思います。リベラルの人すみません

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