秋の日

どこか
過去とも未来ともわからない
夢の方角から
風がかすかな呼び声を運んでくる
晴れた日には
茫洋とした白い森に消えた鳥のように
遠くへ行きたくなってしまうから
空を見てはいけない

コメント

“秋の日” への4件のフィードバック

  1. 吉岡繁樹
    吉岡繁樹

    おはようございます。
    こういうのを、ブレスが長いって言うんでしょうね。
    タイトルから、音読して
    ひといきに最終行まで読みすすんで、
    すっとひねって終わる。
    いいですね。

  2. 藤 一紀
    藤 一紀

    吉岡さん

    ありがとうございます。次の言葉が出てきたり、言葉を置く場所が決まるまでの逡巡が行換えのタイミングだったような気がしますが、なるほど、言われてみると、ひといきに読める感じになってますね。

  3. 沙一
    沙一

    望洋という語を、海などではなく森に対して遣われていることが新鮮でした。人であれば余程の高所からではないと、森を望洋と眺めることはできないのではないでしょうか。ともするとこれは、鳥の仲間からの視点か、あるいは鳥に思いを馳せるあまり語り手の視点が知らずしらずのうちに鳥と一体化していたのかもしれないと、想像が膨らみました。
    読み手の視点もまさしく夢の方角へ誘われるかのようです。

  4. 藤 一紀
    藤 一紀

    沙一さん

    ありがとうございます。想像を膨らませていただき、作者として嬉しく思います。

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